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『オリンピアンの種』2023.5 問題解説(生物学オリンピック編)

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【問題】

日本でのコムギ栽培は,秋に播種して夏前に収穫となる。コムギが花をつけるためには,冬に一定期間低温にさらされることが必要(春化要求性)であり,春になって日が長くなることも必要(日長感応性)である品種が多いが,その程度は多様である。

3つのコムギ品種(ア~ウ)の幼苗を一定期間低温(4℃)にさらした後,長日条件下20℃で栽培した時(図1)と,短日条件下20℃で栽培した時(図2)の,低温処理後から開花までの日数を示した。このとき,3つのコムギ品種の開花特性について正しい記述を次の①~⑥から二つ選べ。

(生物学オリンピック2018予選問題 改題)

① 品種アは,春に播種すると,なかなか花が咲かない。

② 品種イは,春に播種すると,秋に播種した場合と同じ時期に花が咲く。

③ 品種ウは,春に播種すると,なかなか花が咲かない。

④ 品種アは,品種イよりも春化要求性が強い。

⑤ 品種イは,日長感応性も春化要求性も失っている。 ⑥ 品種ウは,日長感応性も春化要求性も失っている

【解答/解説】

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まず図1ですが、この図からは低温処理の期間が開花までの日数にどのように影響するかがわかります。品種アは3週間以上の比較的長期間の低温処理を行うと開花を早められること、品種イは1週間という短期間の低温処理で開花を早められること、品種ウは低温処理の影響を受けないことが読み取れます。

次に図1と図2を比べると、日長が変化したときに開花までの日数がどのように変化するかがわかります。品種アとウは、短日条件ではなかなか花を咲かせないこと、一方で、品種イは日長による影響を受けにくいことが読み取れます。

自然界では、低温処理あり=秋に播種、低温処理なし=春に播種、長日条件=春~秋、短日条件=秋~春に対応するので、以上の情報を踏まえると、①・④が選べます。

【解答】①、④(片方正解なら部分点)